高齢者がかかりやすい病気とは

高齢者は、若年層や中年層ではあまりならない病気になることが少なくない。それは加齢による免疫の低下と機能低下により起こる病気が多いのである。高齢者でよくみられる病気の一つとして、尿路感染症がある。通常尿は体外に排出することにより、身体の中に入ってこようとする細菌も一緒に排泄するのであるが、免疫が低下や食事・水分摂取量の低下などにより、排泄するべき尿量が減少、その結果膀胱に長い時間尿が停滞し、尿路感染症を起こしやすい。また持病で飲んでいる薬の影響で、感染症を起こしやすい場合もある。

また風邪、つまり呼吸器系の炎症も起こしやすい。自分が外出しなくても家族内から感染という経路も多く、風邪をひいたかと思ったらすぐに肺炎になることも少なくない。痰を自分で出す力もなく、重度の呼吸の炎症は命にも直結する感染症である。

更に帯状疱疹もよくみられる病気の一つである。これは水痘・帯状疱疹ウィルスによって引き起こされる。昔水ぼうそうになった時のウィルスが神経に忍び込んでおり、疲れやストレス、免疫が低下したときに帯状疱疹として発症するのである。痛みや発熱を伴うこともあり、注意が必要である。

更に高齢者の中でも嚥下機能の問題がある場合、誤嚥性肺炎を起こしやすい。加齢により飲み込むが悪い、水でむせるといったとき、誤嚥してしまうこともある。しかし咳などの反射で誤嚥したものを吐き出すことが出来ればいいのだが、咳の反射も低下している高齢者は、誤嚥性肺炎を繰り返し起こすことも多い。